日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点 の感想
参照データ
タイトル | 日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山岸 俊男 |
販売元 | 集英社インターナショナル |
JANコード | 9784797671728 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
昔に比べて今の社会が悪くなったのは、人々の心が堕落したからだ。
だから、お説教をして道徳意識を埋め込む・・・。
このような発想の延長線上に、ベストセラー「美しい国」「品格」等があるとすれば、
筆者の主張は、まったく逆の「人の心は環境によって変わる」というアプローチでしょう。
日本人は「集団主義者か個人主義者か」を検討して、
日本人が実は、個人主義者であることを指摘します。
では、なぜ日本は典型的な集団主義社会なのかを明らかにするのです。
次に、社会の仕組みの違いとして著者は「安心社会」・「信頼社会」概念を紹介して、
社会の成員へのコントロールの利く「安心社会」から、個人が積極的にリスクをとっていく
「信頼社会」への社会の仕組みの変化を主張します。
それを踏まえて、社会現象としてのいじめ問題、企業による偽装・隠蔽問題を取り上げます。
これら問題の解決が、心の問題として解決するお説教では、うまくいかないことを指摘して、
この解決の方法を・・・。
具体的な解決策は、著作を読んでみてください。
このような事象の検討の末に、著者の規定する「安心社会」「信頼社会」の対立を、
やがて「統治の倫理」と「商人の倫理」という鋭い価値対立問題として提起します。
グローバル化・格差問題が生じている日本社会で、
これからの時代を担うべき価値観がいずれにあるのか。
筆者の主張は鮮やかです。
これまでの著作と比べて格段に読み易くなり、著者の主張がわかりやすく構成されています。
だから、お説教をして道徳意識を埋め込む・・・。
このような発想の延長線上に、ベストセラー「美しい国」「品格」等があるとすれば、
筆者の主張は、まったく逆の「人の心は環境によって変わる」というアプローチでしょう。
日本人は「集団主義者か個人主義者か」を検討して、
日本人が実は、個人主義者であることを指摘します。
では、なぜ日本は典型的な集団主義社会なのかを明らかにするのです。
次に、社会の仕組みの違いとして著者は「安心社会」・「信頼社会」概念を紹介して、
社会の成員へのコントロールの利く「安心社会」から、個人が積極的にリスクをとっていく
「信頼社会」への社会の仕組みの変化を主張します。
それを踏まえて、社会現象としてのいじめ問題、企業による偽装・隠蔽問題を取り上げます。
これら問題の解決が、心の問題として解決するお説教では、うまくいかないことを指摘して、
この解決の方法を・・・。
具体的な解決策は、著作を読んでみてください。
このような事象の検討の末に、著者の規定する「安心社会」「信頼社会」の対立を、
やがて「統治の倫理」と「商人の倫理」という鋭い価値対立問題として提起します。
グローバル化・格差問題が生じている日本社会で、
これからの時代を担うべき価値観がいずれにあるのか。
筆者の主張は鮮やかです。
これまでの著作と比べて格段に読み易くなり、著者の主張がわかりやすく構成されています。