言霊百神―古事記解義 の感想
参照データ
タイトル | 言霊百神―古事記解義 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小笠原孝次 |
販売元 | 七沢研究所 |
JANコード | 9784990779405 |
カテゴリ | 人文・思想 » 宗教 » 神道・祭祀 » 神道 |
購入者の感想
「言霊」は日本人なら誰もが気になるワードであろう。けれど世に出回っている書籍には、柿本人麻呂の和歌や紀貫之の古今和歌集前書きを引き合いに出し「日本では昔から言葉に力が宿っていると考えられてきた・・」、だから「感謝の言葉を多く使いなさい」的なことしか書かれていない。それはそれで大事なこととは思うが、「言霊〇〇」「〇〇言霊」といったタイトルの本が著される度に「ああまたか」と落胆させられる日々が続いた。それでも「言霊」の真理をつかみたくてあがくうち本書(旧版)にたどり着いたが、高価なため、図書館で小刻みにコピーをし噛み砕くように通読した。著者小笠原氏の見識は非常に幅広くかつ奥深く、正に瞠目すべき内容であり、読解中何度も「なるほど」と膝を打ちたくなる衝動にかられたが、正直、読解に苦心した箇所もあった。今般廉価な新装版(しかも総ルビ!)の登場により、氏の言霊論に賛否両論が巻き起こることは間違いないだろう。世にあまた流布する言霊解釈本とは一線を画する同書が、日本人の言霊観に静かなる革命の風を巻き起こすことを期待したい。