ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書) の感想
参照データ
タイトル | ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 吉川 洋 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480056351 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 |
購入者の感想
現代において、ケインズは、「需要が供給を決定する」といういわゆる「有効需要の原理」を確立した経済学者として知られている。もちろんこれはこれで偉大な業績であるが、本著を読むと、こうした業績はケインズの偉大さのほんの一部分のみであることを思い知らされる。
つまり、ケインズは、象牙の塔に住む学者ではなく、イギリス経済が激変する中にあって、その時々の経済問題に対し積極的に提言を行う実践者であった。本著を読むと、彼の生きた時代にイギリスが直面した失業、インフレ、通貨制度選択といった諸問題に対する彼の分析や提案を通じ、ケインズの実践者としての偉大さが伝わってくる。
私自身、大学・大学院を通じて経済学を学んだが、経済学の数理化・タコツボ化のせいか、学者の多くは、経済学自体には詳しいが、現実の経済問題に対して地に足の着いた分析をしようしない「経済学」学者となっているようにも見受けられる。是非とも、理論家としてのケインズのみならず、リアリストとしてのケインズからも多くを学んでほしいものと、自戒の念もこめて思わずにはいられない。
つまり、ケインズは、象牙の塔に住む学者ではなく、イギリス経済が激変する中にあって、その時々の経済問題に対し積極的に提言を行う実践者であった。本著を読むと、彼の生きた時代にイギリスが直面した失業、インフレ、通貨制度選択といった諸問題に対する彼の分析や提案を通じ、ケインズの実践者としての偉大さが伝わってくる。
私自身、大学・大学院を通じて経済学を学んだが、経済学の数理化・タコツボ化のせいか、学者の多くは、経済学自体には詳しいが、現実の経済問題に対して地に足の着いた分析をしようしない「経済学」学者となっているようにも見受けられる。是非とも、理論家としてのケインズのみならず、リアリストとしてのケインズからも多くを学んでほしいものと、自戒の念もこめて思わずにはいられない。