反〈絆〉論 (ちくま新書) の感想

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タイトル反〈絆〉論 (ちくま新書)
発売日販売日未定
製作者中島 義道
販売元筑摩書房
JANコード9784480068118
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 論文・評論・講演集

購入者の感想

大量に消費される偶像化された<絆>の正体を知り、取り払うために読むべき書。

本書の目次
第1章 《絆》は重苦しい
第2章 《絆》は有益である
第3章 組織における《絆》
第4章 (なるべく)他人に同情しない
第5章 (自他の)孤独を尊重する
第6章 生命は最高の価値か?
第7章 《絆》からの自由・《絆》への自由
中島義道は、自著を「哲学専門書(および論文)」と「通俗的な本」に分けている。哲学専門書とは、例えば、「時間と自由 カント解釈の冒険.晃洋書房、1994年」、「空間と身体 続カント解釈の冒険.晃洋書房、2000年」などである。本書はもちろん「通俗的な本」である。彼の「通俗的な本」に関するAmazonカスタマーレビューをざっと見渡すと、星1つの評価を下して嫌悪感を表明しているものが少なくない。中島義道に「星1つの評価」を下す感覚は、《絆》を大切にする「善良なる多数派の市民感覚」に通じる。私は中島義道の主張に共感を覚えるとともに、魂が救われる思いで満たされた。ただし、著者自身も断っているように、実直な社会人が「《絆》からの自由」、「《絆》への自由」を実践することは無理である。しかし、少なくともパスカルの「繊細な感覚」を失わないように、日々、努めようと思う。

この本は、東日本大震災によって、日本を覆った「絆」の偽善性について、批判をしている本です。

かつて、太平洋戦争で、「お国のために」という言葉が日本を覆ったように、現在では、「絆」が日本を覆っており、筆者の心は、とても重いものになっているとしている。

すなわち、現在の日本に覆っている「絆」を重く感じている人は、社会的に評価され、金を稼ぎ、自分に居心地の良い新しい「絆」を自分で作る事で、「絆からの自由」を得られるとしている本である。

筆者も、多くのマジョリティの「絆」と戦い、自分の研究会という「絆」を作って、やっと、自分の「絆からの自由」を手に入れたとしている。

そして、ニーチェの言うように、強くならないといけないとしている。

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