「ひきこもり」救出マニュアル〈実践編〉 (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトル「ひきこもり」救出マニュアル〈実践編〉 (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者斎藤 環
販売元筑摩書房
JANコード9784480431684
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

家族がひきこもった時、専門家に相談しても、「そっと、見守ってください」と言われる。しかし、毎日の生活の中で、本人と家族が、具体的にどのように接することが大切なのか、基本的な内容や心の持ち方など、参考になる内容が、示されている。いたずらに月日が流れる現状に、不安を持たれている方は、一読をおすすめします。

本書のタイトルは「救出マニュアル 実践編」となっているが、実態としては、ひきこもりに悩む親族から寄せられた相談に対する著者の回答集となっている。著者は「ひきこもり」問題に対しての治療や支援や啓蒙活動をしている精神科医。

様々な質問が寄せられている。部屋にひきこもった息子と半年間メモのやりとりしかできていない。食事を部屋まで運んで欲しいと言われたが応じるべきか。夜中に叫び出す。暴力をふるわれる。壁に穴を開けたり窓ガラスを割る。部屋が散らかって足の踏み場も無い状態になっている。経済的にどう支えていけばいいのか。夫婦で責任のなすりあいになっている。母親の布団にもぐりこんでくる。祖父母への暴力。脅迫症状。薬物治療の有効性。娘が「警察に監視されている」と言う。あれこれお金を要求される。ネット中毒。ひきこもりに対する就労支援がどうなっているか教えて欲しい。大学を中退した息子にどう対応したらいいか。元気と停止のパターンが繰り返される。ひきこもりが再発したがどうすべきか。支援組織や家族会、デイケア、訪問支援について、など。

「救出マニュアル 理論編」の続編の扱いになっていて、詳しくはそちらを参照という記述も何箇所か登場するが、そちらを読んでいなければわからないとような内容ではない。

それにしても、つくづく、ひきこもりというのは深刻な問題だ、と思う。その対処方法には、どうしても結果オーライ的な側面があるようだ。また、突然立ち直るということは実際はほとんどなく、そういうことがあったとしても一時的なもので終わることがあるそうで、改善する場合でも紆余曲折を経ながら少しづつよくなっていくということの方が多いらしい。著者の経験や知識に基づき、真摯に丁寧に回答がまとめられている本である。

ひきこもり家族からのよくある質問へ答える、Q&A方式で書かれている。
斎藤先生の長年の経験を基に端的かつ明快に答えていて気持ちが良い。
ただし、あくまで斎藤先生の長年の経験による主観がベースとなっているので、やや偏っているとなと感じる箇所も散見される。
また、文章は難解とまではいかないが、知的レベルや病態水準が平均以上のご家族でないと理解しきれないものと思われた。

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