西洋の書物工房 ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで (朝日選書) の感想

　著者は実際に装丁・製本にたずさわっている人のようで、著者紹介をみると「今までに１０回以上製本やマーブル紙の個展を行う」とある。製本や紙の個展なんてあること自体、初めて知った。ヨーロッパに留学してまで製本や装丁を学んだ人らしい。ひとことでいうと本フェチの人だ。「モロッコ革の本。それは本の好きな人にとってなんと優雅な響きを持つ言葉であろう。１冊でもよいからモロッコ革の本を持ってみたいと思わないだろうか（本文より）」。思いません。とにかく懇切ていねいな本。絵や写真などの挿画も豊富で見ていて楽しい。