全面改訂 超簡単 お金の運用術 (朝日新書) の感想

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参照データ

タイトル全面改訂 超簡単 お金の運用術 (朝日新書)
発売日2013-09-13
製作者山崎元
販売元朝日新聞出版
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営

購入者の感想

山崎元氏の投資入門書は大変な人気である。私も何も投資のことを知らないときこの本を読んで、大変明快ですばらしい手法のように思われ、すぐにも実行したくなったが、その後いろいろ勉強してみて、わかったことがある。それは、山崎氏の主張は分散投資としてはスタンダードなものとは異なり、一般にすすめられている分散投資の方法としてはかなりリスクが高いものであることだ。また、山崎氏は基本的に、計算上リスクに対して最大のリターンが得られる方法をすすめていて、実際に初めての人が投資を始める際のメンタルリスク、心のケアということをやや軽視する傾向があることがわかった。これは彼が実際には自分のお金で投資をしない人であることも関係していると思う。

この投資法の第一のリスクは、普通分散投資では必ず出てくるはずの「時間分散」、つまりドルコスト法を否定することである。ここが積立投資法としては非標準的であることを読者は理解しておきたい。これは、まとまった資金がある時にそれを一括で投資すべきか、たとえば一年くらいに分けて分散投資するか、ということだが、山崎氏は一括投資を推奨し、ドルコスト法は気休めに過ぎないとする。たしかに理論上は、ドルコスト法はリターンの見込みをよくするものではなく、投資期間が少ないという点ではマイナスになり得るが、ここで最も重要なことは、「個人投資家は、大きなマイナスに陥ることを回避する投資法が必要」という視点だ。そこが山崎氏には弱い。下がったら下がったでしかたがないという立場だ。これをリスクが高いというのである。当たれば大きく、外れれば大損をするが、計算上はコツコツ積み立てるよりはリターン期待は大きくなるだろう。だがこれは個人投資家が選ぶべき方法だろうか。分散投資とドルコスト法は本来はセットである。それを否定する山崎氏はスタンダードではないことはふまえておきたい。分散投資を推奨する人で、ドルコスト法を否定する人は他にはあまりいない。

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