おにのさうし (文春文庫 ゆ 2-26) の感想

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参照データ

タイトルおにのさうし (文春文庫 ゆ 2-26)
発売日2014-10-10
製作者夢枕 獏
販売元文藝春秋
JANコード9784167902018
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購入者の感想

 以前天野喜孝さんのカラーイラスト多数を載せてハードカバーで出されたものが、イラストだけすっぽり取り除いて発売されているとあとがきに明記されています。それならそうと紹介のページで言ってもらいたかったな。
まあ「鬼譚草紙」発売が2001年(ちなみに文庫は2006年)で読んでから13年が経過していて、内容はあらかた忘れてしまっているのでKindleでよみなおすのも悪くはなかったです。

 ストーリーは平成の闇の物語三話。
 一つ目は長年の修行の末「大聖」ともよばれた修験者が一目見ただけの皇后に心を奪われ・・・・
 二つ目は平安の奇譚をいくつか(源博雅も2ページくらい)紹介した後、紀長谷雄という歌の達者と鬼が賭けをするお話。勝った長谷雄は鬼から絶世の美女を譲られるが・・・・
 三つめは小野篁にまつわる悲恋のお話。蘆屋道満が出てきて地獄を舞台に掛け合いが交わされてます。

 この本は元々ずばり「H」がテーマであり、一話と三話ではかなり濃厚なsexの描写が描かれています。ただ二話はHなシーンはあるものの、イラスト(「鬼譚草紙」ではH描写多数)がないためかそこまで濃厚なエロスの感じはしません。
 二話、三話では長谷雄、篁をはじめとする多数の和歌が紹介されており、それをきちんと読みこなせれば会話というか歌を交わしている人たち(鬼と妖もあるいは男と女)の時に美しく、時に「はらわたを絞り出すような」激情がより理解できるのでしょうが、残念ながら自分にはそういう素養は乏しいようです。

 なお、気になる方もいるはずですが、これには安倍清明は全く出てきません。
 

最近、内容は何も足さず、何も引かずという具合に、丸写しで、「改題」だけして再出版するケースが多くなった.。これもそうだ。
著者・出版社の見識・良心を疑う。

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