あの頃映画 松竹DVDコレクション 男の顔は履歴書 の感想

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参照データ

タイトルあの頃映画 松竹DVDコレクション 男の顔は履歴書
発売日2013-11-27
監督加藤泰
出演安藤昇
販売元松竹
JANコード4988105067769
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » ドラマ

購入者の感想

今年の1月に思いつきで本作のVHSのレビューを書いた。
本作がDVD化されないことへの苛立ちを綴った。
そしたら年内にDVD化するなど、思いもよらなかった!

もちろん早速 購入し、観なおした今、改めて感動している。まさに大傑作である。
初見より25年は経過しているであろうか。当時リリースされた松竹ホームビデオを
レンタルして衝撃を受けた作品にも関わらず、当時まったくといっていいほど
本作に描写されたことの意味を理解していなかったことに、我ながら驚くばかりである。

本作は、敗戦後の日本で、それまで抑圧されていた(という)、
三国人(この作品では朝鮮半島出身の人々)が、日本国籍を離脱した結果、
外国人という立場を利用し、日本人相手に横暴を極めている、
という時代状況を背景に語られる物語である。

現代の日本人が忘れ去ってしまった、このような時代状況も、
本作が制作された頃には、まだ一定の生々しい説得力を持っていたのだろう。
(こういったことが一切なかったことにしたい勢力って、いったい何なのだろう?)

しかし本作の素晴らしいところは、そのような日本人を
「一方的な被害者」として描き、三国人を打倒して溜飲を下げる、というような、
中国の抗日ドラマのような自慰的なものでは、決してないところでにある。

日本人の醜いところも、朝鮮人の醜いところも等質に描き、
同様に日本人の美しいところも、朝鮮人の美しいところも等質に描いている。
そして、両者の対立や抗争を描く一方で、両者の信頼や愛情も描いている。
このような素晴らしい作品が「差別的」などという批判のもとに
封殺されるなどということがあるとしたら、それは許し難いことであり、
今回ソフト化に踏み切った松竹様の英断には心からの拍手を送りたい。

余談だが、加藤泰と安藤昇が組んだ三部作、
残りの「懲役十八年」は東映だが、松竹の「阿片台地 地獄部隊突撃せよ」の
ソフト化も是非お願いしたいと思っている。

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