PANZER (パンツァー) 2014年 08月号 [雑誌] の感想

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タイトルPANZER (パンツァー) 2014年 08月号 [雑誌]
発売日2014-07-26
販売元アルゴノート
JANコード4910075930842
カテゴリジャンル別 » 雑誌 » 趣味・その他 » ミリタリー

購入者の感想

竹内修氏の手になる全24頁、画像35枚、図表8、地図4を備える特集大論文は“戦車専門誌”の枠を超える良質の論考。まず人民解放軍が国家の軍隊ではなく中国共産党の軍であるという特異性を指摘し、この30年間余の急速な変化(毛沢東の人民戦争論から習近平の海洋進出構想に)を踏まえる。最も大きな変貌を遂げた海軍はハード面とソフト面のアンバランスを抱えたままである(海軍航空部隊と陸戦隊は脅威となるが)。空軍はアジア随一の戦闘機戦力を有するもAWACSやAEWを欠いている。陸軍はかつての膨大な兵力を減らしヘリ戦力の大幅増加を軸に機能的な再編を図るが、最新の99G式戦車の年間生産量はわずかに20輌程度にとどまる。ICBM・核兵器を備える「第二砲兵」とは別に14コ師団66万の人民武装警察は不気味である。問題点は軍内部というよりは国家自体に内在し、汚職・若年人口減・前近代性を克服できるかとの知的かつ冷静な結論である。図表、地図が適切で理解を助けている。特記して賞賛。

準特集は坂本雅之氏の第二次世界大戦北アフリカ戦線で“デビュー”した猛将パットンの評伝。

“編集後記”で「集団的自衛権」とかのギョーカイ用語が流行語になって喜んでいるようだが、現下の情勢で注目しておくべきは連載の田岡俊次の「軍事情勢を再検証する」-13の「第一次大戦100周年に考える『集団的自衛』の危うさ」で語られている「戦争は政治家に任せるにはあまりも重大」という警鐘であろう。また“今月のトピック”で短く紹介の防衛装備庁の新設は武器輸出解禁・共同開発に向けた「新時代」を迎える。そのタイミングで三鷹聡氏の「日本型『兵器』は売れるのか?その問題性と国際性」は<ユーザーの使い易さと競争相手との比較>を切り口にし10式戦車から99式自走榴弾砲までを俎上にした辛口の論評に仕上がっている。

「各国の海兵隊(10)ロシア海軍歩兵後編」、「イスラエル国防軍名将列伝(3)アリエル・シャロン」、三野正洋氏の「世界取材記」などの連載記事、「米韓海兵隊のサンヨン合同上陸演習」他のグラビアはそれぞれ魅力あふれるが、変換ミスが相変わらず散見するのはいただけない。

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