百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典) の感想

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参照データ

タイトル百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
発売日販売日未定
販売元角川学芸出版
JANコード9784044072186
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 百人一首

購入者の感想

なんでも、初心者の本が一番身に着くと思います。
谷知子さんの、薄い方の百人一首を先に買いましたが、持ち歩きようによいので、無駄ではなかったと思っています。
何度も、何度も読み、暗記するくらい読んでいたら、平安にものすごく強くなりました。得られたものは大きく、安い買い物でした。

詩や小説などの文学作品を暗唱するのが好きなので
今度は百人一首でも覚えてみるかと適当に買ったのが本書です。

解説は東大院卒の女性大学教授で,
分かりにくい文法の解説なんかもちゃんとしてありますが,
それよりも素晴らしいところは(大学教授にしては珍しく?)
想像力豊かに場面を再現し,
情緒溢れる文章で解説していることにあると思います。

解説で歌によまれている場面が目の前に浮かび上がってきます。

例えば15番「君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ」では
このような解説がなされています。
少し長くなるが引用してみましょう。

「『百人一首』屈指の美しい歌である。心身ともに疲れたとき,
この歌は私を優しさで包みこみ,深く慰めてくれる。…(中略)…
 まだ春浅い時期なので,冷たい淡雪に着物の袖をぬらしながら,
 『あなた』の健康と幸福を願って,野の若菜を摘んだというのだ。
 実際白雪が積もった状態で若菜をプレゼントしたのかもしれない。
 緑と白の鮮やかな対照,輝くような生命の息吹。
 こんな贈り物をもらったら,どんなにかうれしいことだろう。」(44-45頁)

冒頭の目次も「一 秋の田の」「二 春過ぎて」とだけ書いてあり,
暗記の確認に良いと思います。

類書を持っていないので比較はできませんが
大変気に入りました。

私に百人一首を教えてくれたのは、明治生まれの義理の祖母である。お正月、妻の実家を訪れた際、「あんたはん、この歌の意味知ってはりますか?」と示されたのが、60番「大江山・・・」だった。もちろん詞書を知らないと答えられるわけがない。これは私の教養を探る一突きだったのかも。もう30数年も前のことであるが、その後、祖母とのカルタ取りを通じて、徐々に私の百人一首の知識も増え、解説本も何冊か買うことになってしまった。
 この本はビギナーズ・クラシックスとあるが、かなり学術的な本である。従来の解説書に比べると「そうだったのか・・」というコメントが、かなり入っている。例えば、7番「天の原・・・」には、「春日」が出てくる理由として、当時の遣唐使は春日大社にお参りする慣例があったと解説されている。また、この歌はほんとうに阿倍仲麻呂が作ったかどうかは疑問があるともコメントされている。61番「いにしへの・・・」では、初出仕した娘に試験が出され、それに見事答えたのがこの歌であると、ズバリと言われる。従来の”美しくまとまった歌”ではなく、藤原道長が出した入社試験、それに見事答えた合格答案だったとは、驚きである。
 ぼちぼちと手にとって読み進む内に、百人一首に登場する人物の背景が丁寧に解説され、特に何故この歌が採られているかに著者が気を配られているのが分かる。
 学術的ではあっても、読みやすく、中身が濃い解説書と私は思う。

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