「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本 の感想

ライフネット生命保険会長の出口治明氏が、
「無敵の50代」になるために、二十代、三十代、四十代で
それぞれ何をすべきなのか、どうすれば人生をよく生きられるかを説いた本です。

それぞれの世代ごとに何をすべきなのかをまとめてあり
とても参考になりました。

今現在仕事に悩んでいる方には特におススメできる本だと思います。
これから自分はどうやって働いていくのか、深く考えるためのきっかけとなる本になります。
新たな気づきがあるはずです。

以下に、私がこの本を読んで勉強になった部分を
引用してご紹介します。

・トレードオフで大事なのは、選ぶよりむしろ捨てることです

・人生とは、三割の時間を使ってお金を稼ぎ、そのお金で食べて、
　寝て、遊んで、子育てをすることである

・仕事の成果を出すために必要なのは、
　まず第一に仕事の目的を考えることです

・人間のリアルな世界ではおよそ立派な人などいないので、
　暇になるとろくなことを考えません。
　せいぜい上司の悪口を言うか、仕事をしないで遊ぶのが関の山です。
　すべてのメンバーが相対的に幸福になるためには、
　勤務時間中に余計なことを考える暇がない程度の仕事量があることがいちばんです

・三〇代ともなれば、上司を論破できて当たり前です。
　深く狭く仕事を掘り下げている部下が、
　広く浅くしか見ていない上司を論破できないようでは、
　仕事をしているとは言えません

・四〇代になったら得意分野を捨てる

・愚かな管理者ほど、有限の感覚に乏しいもの

・五〇代は「遺書」を書く時代

・五〇代ほど起業に向いた年齢はないと断言できます。
　五〇代はリスクがほとんどコストに転化されていて、
　幅広い交友関係があり、お金の借り方もわかっていて、
　それなりに目利きの力もあるからです。

タイトルを見て、『入社１年目の教科書』みたいなリクルート的価値観の「仕事教」の本ではないかと、斜に構えて読み始めました。
しかし、読み進めていくうちに、どんどん真面目に読むようになり、
最後は正座して読んでいました。

働き方、というより、＜人生の教科書＞じゃないですか！
しかも、上から目線で書いてあることは一つもなく、（この手の本ではきわめて珍しいことに）本当に腰の低い本です！

著者本人は、仕事で成果を上げている人なのに、仕事に人生を毒されていません。
途中の、「仕事はプライベートより簡単」という言葉には、完全にやられました。
これは、子育て経験のある女性ならほぼ全員が納得する話でしょう。

思っていた以上におもしろく、たいへん得した本です。