わたしの目にはあなたは高価で尊い

　パラパラと本書のページをめくると、
最初に、
「聖書から宗教のベールを
はがした時に真理が光り出します」という太字の言葉が目につきました。


　この言葉は、
本書の中心主題からやや外れた著者の言葉ですが、
目からウロコでした。

　教会にもよりますが、
教会の中で、
その教え（絶対的なドグマ、
一種の偶像）という枠の中で聖書を読むと、

読み方が制限されます。
聖書の解き明かしに、
牧師さん個人や、
その団体の宗教色（信念）が入るので、

本来の（聖書、
あるいは、
イエスなどの）メッセージを読み落とすことがあります。
真面目で（指導者や組織に）忠実な人、
悪く言うと自分自身で考えない、

情報を集めようとしない人ほど…指導者やグループの人たちの信仰の傾向、
信念、

生き方から大きな影響、
束縛を受けるのではないかと私は自分自身や周囲を見回して思うのです。

　もし運が悪いと、
（罪悪感や燃え尽きなどで）いつしか生きづらさを覚えたり、
うつ病になったり、

宗教という殻の中に閉じこもって情報を遮断して（自分と向き合えず）自分の人生の可能性を疎外してしまいます。


　「あなたの努力は不要です。
「努力する」のではなく「知ること」で、

突然道が開けます」（31ページ）、
これも本当だと思います。

　「知る」というのは、
（人の言うことを）信じるというより、
自分自身で気づく、
納得する、
悟るという感じ
に近いかもしれません。


　その「知ること」の内容はというと、
本書にもありますが、

キリスト教を信じる、
信じないにかかわらず、
誰でも「神に似せて創られた最高傑作」、

だから神から今のあるがままで（あなたは）愛されている…このあたりは、
本書を読むだけでは、
すんなり身につくとは思えませんが、

・　神から愛されていることを知り実感する
・　自分が自分を大切にしてよいと知る…
　この「神に似せて創られた最高傑作」という表現は、
ユダヤの伝統（文化）の中での特殊な表現だとふまえて、

日本人である私たちは上手に読む必要があると思います。