「もっと描いて！」という欲望がでてしまう名作

ほんわかと親しみのもてる漫画とシンプルな言葉の数々によって、
さりげなく「仏教」がわかってしまうシリーズの最終巻です。
作者は「これは宗教の本ではありません」としつこく言っていますが、
見事なまでに仏教の本質をついています。
しかも恋愛やプライドから生じる個人的な、
されど普遍的な悩みを題材に話をすすめていくので、
とてもとっつきやすいです。

ただ、
この三巻目は、
ほかの二冊にくらべると少し理屈っぽい感じするかもしれません。
仏教のキーワードである「四苦八苦」が解説されたり、
知覚心理学を参照したりしていますので。
まあ、
圧倒的にわかりやすく紹介されているので、
このシリーズの路線からは少しも外れてはいないのですが。