ハンドドリップでこだわると行き着く逸品

コーヒーにはまり始めると、
必ず一度は目にするのが、
このカリタ銅ポット900である。

私の場合は、
ふらっと入った喫茶店のマスターが楽しそうにこの銅ポットでコーヒーを入れていたものである。

使い込まれて味の出たそのポットに、
とてもあこがれた事を覚えている。


このポットの魅力はなんといっても2点である。
すなわち、
「コーヒーを入れる道具としての価値」と「道具そのものの価値」である。


細く伸びた注ぎ口からは、
細くほぼ真下に湯を落とすことが出来る。
そのため、
意図した通りに湯を注ぐことが出来、
手前にぽたぽたと垂らしてしまったり、
飛ばしすぎてしまったりという失敗はあり得ない。
普通のポットで再現しようと思ったらそれなりの練習が必要であるし、
構造上不可能であることが多い。

さらに、
長く使い、
手入れをしている内に、
銅に味が出て、
自分だけのこだわりの銅ポットになる。
そうなったら、
新品と交換してあげる、
などという申し出に魅力は感じないだろう。


直火で湯を沸かすことも出来るが、
熱伝導率が高いため、
取っ手が非常に熱くなる。

なので、
家庭でのおすすめの使い方は、
沸かしたお湯を銅ポットに移して使用することである。

この方法であれば、
取っ手が熱くて持てなくなることはまず無い。

一手間かかる、
と思うかもしれないが、
本来ドリップに沸かし立てで高温の熱湯は適していないので、
理にかなった行程であるといえる。


ポットの裏側には、
MADE IN JAPAN と彫り込まれている。