クライマックス直前

　待ちに待った朝火と知夏の対峙シーン。
　　　憤怒と悲哀と思慕の念があふれるセリフの数々に魅入りました！　　
まさに出会うべくして出会ってしまった洲沙の口から受け入れ難い真実を知った時の朝火の反応に、
読んでいる側も心が大いに揺さぶられました。
　　そして、
今回つくづく胡汀が側にいてくれてよかったなと思いました。
　　相変わらずの暴君ぶりがとても頼もしかったです。

個人的には、
知夏が倶七帝の言葉に激怒し感情むき出しでののしっていた時に、
優しく胡汀（星神）がなだめていたシーンが印象に残りました。
（わずか数行の描写なのですが）　　彼も彼なりに過去を反省し、
変化しているのがいいです。
　　　それに何と言っても遠凪の存在感！　　出番のページ数はさほどないのに、
いちいちセリフがかっこいいです。
　　コトジロと入れ替わってしまった運命などものともせず、
自分の意志を貫く姿勢が実に王らしいな、
と。
　　更に、
お話の後半部分では伊織がとんでもないことになってますし、
「ふわゆる」さんが・・・という場面もあり、
見逃せない部分がいっぱい。
　　こうなってくると次巻が早く読みたいのですが、
正直、
次の一巻で全てが収まりきるのか心配でもあります。
　　神話の陰に潜む謎（闇の部分）とか、
白雨のこととか、
まだ詳細がはっきりしないところも結構あるし、
知夏の恋の行方も気になります！　　　あとがきにはカットしたやりとりの記述が少しあり、
朝火好きな自分としてはそれだけでも嬉しかったです。
　　イラストも素敵で、
未不嶺の苦しげな表情が一番ぐっときました。