物語を引き締める謎と伏線

最近流行の女性だらけの学園を舞台にする緩い王道ハーレムながら、
丁寧に描写された謎や伏線、
様々な思惑が物語を適度に引き締めている作品。

そして、
物語の謎を抱えるのは他ならぬ主人公である悠です。

一人称のラノベなので、
読者の視点となるのはもちろん悠なのですが、
読者から見てもその悠にはよく解らない謎がある。

ドラゴンの巨躯は大地を割り、
その頭は遥か上空の雲間から覗く。
六年前、
悠は妹を救う為にその生物の概念を超えた存在に一人で立ち向かい、
生き残る。

……どうやって、
なぜ、
生き残れたのか。

ここらへんは作中でも言及はされてなく、
悠自身もあまり語りたがりません。

ただ、
その時に悠が「変わってしまった」ということはわかります。

そして６年後のこれからも、
色々あって戦う度に「記憶を失っていく」こととなる悠は文字通り身を削って戦っていきます。

その記憶の件を伏せて生活しているが、
周りのヒロインはいつそれに気づくのか。

いつ理解できるのか。
悠は何を想うのか。
中々面白い設定だと思います。

個人的に深月がとても好きです。
主人公との関係が儚くて、
とてもヒロインらしい。