オスプレイ反対派も賛成派も、まずは事実確認から

日本国内配備に賛成だ反対だと喧しい、
ティルトローター輸送機オスプレイを知る、
絶好のハンドブック。
　開発史、
およびハード、
ソフト面の双方から、
相当突っ込んだ解説が為されている。
　新書版ながら、
先に発売されたイカロス出版のムック「V-22 オスプレイ (世界の名機シリーズ　2012/7/13　ISBN-10: 4863206143」と、
写真以外は対等、
ないし概ね凌駕する内容の濃さとデータの信頼性を感じる。
（イカロス社のムックもかなり良い出来なので、
併読をお勧めする）。


当然ながら写真についてはイカロスのムックには劣るが、
イカロス版で大いに不満だった空力面の説明は、
本書のほうが（やはり不足ではあるが）一回り優れている。
　乗物、
特に航空機に興味ある読者にとって、
また日米両国と敵対する北東アジア諸国にとって最も知りたいことの一つは本機の空力特性であるが、
この２冊の本で共に暈されている理由は、
著者の怠慢と言うより、
高度な軍事機密だからであろう。


さて、
ここから先はオスプレイ日本配備の評価になる。
　本機が代替（改編）する大型輸送ヘリコプターＣＨ４６に対し、
圧倒的な高速性・航続距離・省燃費性能を有し、
戦術・戦略的に桁外れに有用なことは、
多少とも軍事に関心・知識のある人であれば論を俟たない。
　南西諸島の無人島どころか、
なんと沖縄本島・対馬までもが、
反日を国是とする敵対的な２つの隣国によって露骨な直接侵略の危機に曝され始めた現在、
オスプレイの評価ポイントは、
開発・熟成不足による事故の蓋然性と、
国家・民族存亡の危機との比較衡量に尽きる（たとえば、
オスプレイが１万回離着陸するごとに１回事故を起こして街が罹災し国民が何人か死傷する蓋然性と、
オスプレイ配備が潜在敵国の沖縄侵略意図を挫いて、
１０年後も異民族弾圧を受けないで済むことの利害得失を考えるべき、
ということである。
　オスプレイに限らず、
軍用航空機がかなり危ないことは自明だ。
）。
　

最後に、
普天間の人々に申し上げる。
私を、
現地の悩みに無頓着な外野の放言と看做さないで欲しい。
　拙宅は自衛隊航空基地に近接し、
殆ど毎日、
ヘリコプターが頭上を低空飛行する着陸・離陸ルートの真下にある（道理で、
土地が安かったはずだ・・・）。