記載順に注目

本書の特徴を３点挙げるとするならば、
以下の通りです。


１　記載順
記載順が基本的に第１審の手続を追いながら見られるものとなっている。

従来の民事訴訟法の教科書とは一線を画すものとして新しい試みです。


２　豊富な具体例
民訴は眠訴と言われるだけに、
具体例を思い浮かべ、
自分の中で
イメージを形作ることが有益です。
本書は「例えば」と具体例が豊富に
紹介されていて、
入門者でもわかりやすい記述となっています。

（最低限の民法の知識があることは前提になります）

３　必要十分な情報量
ところどころ、
実務的な趣旨の説明がなされていたり、
民事訴訟法
学習上の大論点とされる部分については、
ページをそれなりに割いて
解説がされています。
メリハリがついていて情報量としては必要十分な
記述と思われます。


上記の実務的な記述は、
学者の議論のみならず、
実務の状況も
知っておきたい学生にとって、
ありがたい記述です（もちろん、

従来の学説（兼子先生、
三ケ月先生や新堂先生などなど）
の紹介で、
実務に対する学説の問題意識も明らかにされています）。

これらの解説こそ、
裁判実務を経験され学者をされている和田先生
ならではだと思います。


星は４で評価しますが、
これは自分が５をよっぽどのことがない限り
つけないだけのことで、
４以上の価値がある本です。


2012/11/13追記
１刷における誤植の訂正が、
商事法務から出ていますので参考まで。

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