大当たりの掘り出し物

　ちょっとしたメモや手帳への記入などの普段使いのために、
壊しても無くしてもそれほど痛くない安価な万年筆を探していて、
ＯＨＴＯの製品に行き当たりました。

　信じられないくらい安いけれど取り敢えず試してみようと思い、
あらかじめ駄目元と割り切った上で、
今回３本ほど纏めて購入してみました。


　ところが、
実際に使ってみたらこれが「大当たり」でした。


　まず外観ですが、
戦前から昭和三十年頃までを思わせる古風なデザインで、
値段相応よりはかなり高級感があります。

　ＡＢＳ製のボディは仕上げも丁寧で、
安っぽい感じはありません。

　この価格帯ですと、
大手国産メーカーではセーラーの「ハイエース・ネオ」やプラチナの「プレジール」辺りが相当品だと思いますが、
それらと比較しても造りはかなりシッカリしています。

　重量は２０グラム程度で、
万年筆としては軽い方ながら特に軽すぎる感じはなく、
むしろ重すぎなくて良い感じです。

　ただし使い始めたばかりなので、
メッキの強度・耐久性については何とも言えません。


　ペン先はドイツのシュミット社製のようで、
ステンレス製のメッキ仕上げになっています。

　さすがに金のペン先に比べればやや硬めではあるものの、
これも特に硬過ぎるということはありません。

　また、
ポイントに大きめのチップボールが付いているので、
紙に引っ掛かることもありません。


　ポイントのボールのおかげで書き味は滑らかで、
インクフローも良好です。

　文字の太さはパイロットやセーラーのＭ（中字）より少し太い感じでしょうか。

　ただ、
この点は規格が不統一なのか製造の際のバラツキなのか、
今回購入した三本はすべて線の太さが違っていました。
おおむね「中字」ですが、
F-SPIRITは「中太」、
Proudは「中細」で、
F-Lapaは「中字」、
といった按配です。

　線の太さにこだわりのある方は、
もう少し高価な製品を選んだ方が良いでしょう。


　黒のインクカートリッジが二個付属していましたが、
このインクの性能が少々微妙です。