喜びに満ちあふれる。

ＥＷ＆Ｆが９人の優秀なミュジシャンのユニットとして最も見事に機能した姿を捕らえた作品集が本作と言えるだろう（ジャケット写真には日本語の「九」の文字が発見できる）。
ヒット曲はここからは出ていないが、
サウンド、
歌詞、
唄心のバランスがよく取れたＥＷ＆Ｆの名作。
一曲目から聞こえてくる、
しなやかで、
力強く、
喜びに溢れたサウンドにリスナーは魅了されざるを得ないだろう。
その心地よさが姿、
形を変えながら最後の曲まで継続されて行くところに圧倒される。
オーケストラのように分厚いサウンドに乗った弾力のあるしなやかで華麗なリズム、
力強くも美しいファルセットボーカルの見事な相乗効果だ。
本作が発表された１９７０年代後半の、
アフロアメリカン達のアメリカの大地に根を張って生きる喜びのメッセージに心が打たれる。
ＥＷ＆Ｆが、
単なるディスコ御用達のヒット曲を連発するバンドではなく、
アフロアメリカン達の希望をリードして行く精神性、
音楽性を併せ持ったスーパーバンドであっことを立証する最高の作品集である。
この評価はリリースから３０年を経た現在においても変わることはないだろう。