英語だらけとビビることなかれ。

ケンブリッジ大学の出版で出ている英文法書。
初版は1985年らしいのでもう30年以上売れ続けていることになる。

私は中学の頃はまだまだ英語に付いていけていたのだが、
高校に入りその量に圧倒。
結果挫折。
入試でもセンターでも英語が足を引っ張った。

で、
大学生になると否が応でも英語を見る機会が多くなる。
英語の論文が必要になったので読んでみたのだが…。
むしろ高校の頃より退化しているような。
しかも社会に出ればTOEICとかいうもので、
英語で力が判断されてしまうという。
これはヤバいと思い、
本書を購入した。

サンプルを見てもらえば分かるのだが、
そんなにビッシリ英語が書かれていているわけではない。
むしろイラストを使って状況を描写することが多々あり、
理論一辺倒ではないことがよく分かる。

ところで、
この本には「in Use」と付いている。
つまり、
「使える」文法を教えるよ、
という訳だ。
日本語の英文法書で言えば、
「Forest」よりは「一億人の英文法」のほうに近い。
英語は使ってなんぼ。
頭に入れても実践できないのではただの木偶の坊になってしまう。

網羅性とわかり易さ、
それに実用性を兼ね備えている点では、
日本の文法書で並ぶものはなかなかない。
例えば、
英語でよく話題に上がる「現在完了形」は、
このようにイコールで結べる、
と示してある。

「He has lost his key. = He lost it recently, and he still doesn’t have it.」
類似の表現を使うことで、
回りくどい説明なく、
どういう状況なのかがすんなり頭に入ってくる。
これがこの本の凄いところ。
最初こそ英語の量に圧倒されるが、
親切さで言えば、
むしろ今まで使ったどの文法書よりも上だ。
それでいてお堅い文章などない。
このバランスが非常によく保たれていると思う。


と、
べた褒めばかりもアレなので、
気になった点を少し。

右ページにExerciseという練習問題があるが、
中級レベルにしては少し易しいような気がする。
基本的にはその問題の1つめの表現を言い換えれば良いものが多いので、
答えは簡単に作れてしまう。
それが反復練習になって良いという面もあるのだが。