特別対談が付きました。

単行本が文庫化されました。

末尾に「日本のエロスは底なしだ！」という題名で、
著者と「まんしゅうきつこ」女史との対談が付載されているので、
お得感ありの一冊です。

ただ些か残念なのは、
単行本が刊行された折りに巷間に廉価な『戦国武将と男色』という新書が出回っていたのですが、
これは「無智と偏見に充ち満ちた有害図書」でしかなく(詳細は当該書のレビューを参照)、
こんなホモフォビックな作品からの影響を受けたが為、
我が国の男色・衆道像を著しく歪曲してしまいかねない箇所が認められるという点です。

出来れば、
文庫本として出版される際に、
著者自身で文献をよく調べて不適切な文章は書き改めておいて欲しかったと思います。

また「キリスト教普及以前に欧州で両性具有の神が崇められていた」というのは事実ですが、
それが「多く蛇の姿で著される」というのは、
何という神格に就いての言及なのでしょうか？　ギリシア神話を筆頭とする古代神話に両性具有神は幾柱か登場しますが、
蛇体の神格というのは誰を指しているのか、
どなたか御教示頂きたいものです。

他にも幾分か疑義のある著述ではあるものの、
老若男女誰もが気軽に読める作品なので、
格別オマケ(「生理」の意謂では無し)をして四点を付けておくことと致します。