ゲームのルールに欠陥があるが、勝負の結末は白眉

今回の夢子のお相手は、
単行本２巻の「２枚インディアンポーカー」でディーラーを務めていた少女、

生徒会会計・五十嵐清華。

会長が酔狂だけで作った異形の建造物「扉の塔」を舞台に、
お金ではなく「互いの一番大切なもの」を
賭けた頭脳ゲームが展開される。


今回のエピソードは、
結末の落としどころが白眉。
「カイジ」のような泥臭い世界観では成立しない
「賭ケグルイ」ならではの美しい結末だったように思う。

一方、
他のレビュアー諸氏も書いていらっしゃる通り、
今回はゲームのルールに、
お粗末な致命的欠陥が……。


ネタバレを避けて書くと、
今回のゲームは「先手／後手に分かれてプレイするのに、
一刻も早く達成した方が勝ち」
という後手が明らかに不利な仕組みになっている。
攻めを交互に処理するゲームなら、
早さは実時間ではなく
行動回数で比べなければ不平等なはずで、
これはフェアなゲームとは呼べない。


加えて、
これは破綻とまでは言えないが、
舞台となる扉の塔がもつ「ある機能」についての描写も
かなりの不自然さがあると言わざるを得ない。


いかにキャラや心情描写が魅力的でも、
頭脳戦を描いた物語でこうした点に欠陥があるというのは、

評価が下がると言わざるを得ない。