白い鳩と二丁拳銃。零距離射撃の緊張感。

激しい銃撃戦と詩的な描写の混在。
羽ばたく白い鳩とごく至近距離での切欠からの撃ち合い（メキシカンスタンドオフ）ストーリーなどどうでも良く、
ひたすら舞踊のごとく展開される撃ち合いとダサいと紙一重の男臭くて格好良い、
無駄にスローな印象カットの連続こそ、
ジョン・ウー節の真髄である。
彼の香港での技量は当時のハリウッドの製作陣には伝わっていなかったらしく、
サム・ライミが補佐的に監修していたのは有名だが、
ウーの技量を知っていたライミは口を出さなかった。
後半、
フーション率いる殺人集団と格闘俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダムとの激しい抗争シーンが全てであり、
不自然に火を吹く弾着効果も、
有り得ないとは判っていても、
力技で見せる。

また、
アクションばかり話題になる本作だが、
怪優ランス・ヘリクセンの強烈な存在感と、
ヴァン・クリーヴ役の南ア出身舞台俳優、
アーノルド・ヴォスルーの不気味な猟犬役元軍人は必見。
余談だが、
チャンスが後半で使うベレッタM92FSは9ミリ口径の多弾数マガジンを備える大型自動拳銃だが、
本作では画面を良く見ると、
特殊ピストルであり、
3点バースト射撃が行える上位機種のM93Rというマシンピストルに使用される20発マガジンが使われており、
映画では2丁合わせて40発の乱れ撃ちを堪能できる（実際にはこんな事すると当たらない・・・）