とりあえずハードルを下げること

前作は「ブロック」と呼ばれる低所得者向けの集合団地で
暮らすイギリスの屈折した若者がキングスマンというスパイ組織に入り、
活躍する成長物語であり、
また最近のスパイ映画は真面目すぎることからのアンチテーゼもあり評価の高い作品でした。


本作は、
前作に引き続き新しい小道具もあり、
今回は舞台がアメリカ設定であるためにそれに因んだものになっています。
それを使ったアクションシーンも引き続き白眉です。
また犯罪者やマフィアのボスといった悪役の多いあの俳優のコメディ演技は新鮮でした。
個人的に一番興味があったハリーの復活の理由には、
前作の教会の場所がケンタッキーであることを考えると納得できるものでした。
そして前作のエグジーの選抜シーンとハリーの若い頃が一気に繋がって復活した瞬間は感動的でした。


前作の敵であるヴァレンタインは「環境を壊しているのは人間だ。
環境を保護するためには人間を減らすしかない」というエコテロリストな考えで実際に人間同士殺し合いをさせた。
今作の敵であるポピーは世界中のドラッグを使用している人たちを人質に取り、
解毒剤と引き換えにドラッグを合法化しろという金儲けしか考えて無い嫌な奴だ。
嫌な奴だが何故か魅力的に見える。
今回も悪役でもしっかりと人間性、
目的が明確に映し出されている。
少し共感もしてしまう。


不満なことは新しいキャラクターが活躍しない点です。
これはあくまでも「第3作目へステップとしての顔見せ興行です」ということでしょうか。


前作が好きすぎる方はハードルは下げてください。

2時間を超える作品ですが、
飽きることはありません。

おススメです。