心の音。

はじめてのソロコンサートのために
オリジナルソングの制作が始まり、
ほぼ１年後にアルバムが。


このスピード感は本人も驚いていたようだし、

それだけ”心の音”が溢れてきた結果。


そして、
このクオリティ。

もちろんアレンジャーが複数ついて、

有名アーティストからの提供曲もあるのだが

”お金かけて作りました”感がおどろくほど希薄で、
等身大。


それは、
細かな音づくりからアートワークまで
本人の希望・想いが反映され、
なんと言っても

”歌いたい　歌いたい”、
その熱が温かな体温として息づいているから。


軽快な「TRAVEL FANTASISTA」、
ジャジーな「愛されたくて」など
音楽的キャッチーさでは、
提供曲が強い。


しかし、
ココロに沁みてくるのは
「色えんぴつ」「feel a heartbeat」「ヒカリの声」etc..
作詞作曲など本人の関わりがより深い曲。


またボーカルテイクのみでは
「裸」の≪静のなかの動≫の見事な表現力、

（バンドと同時に録ったという）「遠吠え」の多彩さが白眉。


詞世界に目を向けると
内省的な印象がつよいのだが、
自己に閉じこもらず
ヒカリを念頭に置いた広い視野を持っていて、
グループでの経験が活きている。


Disc２のライブ音源は、

非常に臨場感のあるサウンドに仕上がっていて
ライブアルバムとして優秀。


本人のパフォーマンスも、
後半体力に不安を感じさせつつ
素晴らしい歌を聴かせ、
”ホンモノ”の実力が頼もしい。


正直、
１曲目にバラードは試聴の段階では重たいかも知れないし、

14曲というのはファンでないと胃がもたれる部分もあろう。


しかし、
歌う女子＝ギター女子となりがちなシーンで
自作自演に変なこだわりのない自由度を持ちながら、

これだけ音楽を愛するシンガーがいる、
これはとても意義深い。