第2ステージ

松沢まり「最近、
妹のようすがちょっとおかしいんだが。
」5巻。


今までは主人公である美月の心情や変遷を中心に描いて来た本作だが
この巻では遂にユキ姉の掘り下げや夕哉の美月に対する意識の変化を描いており
いよいよラブコメとして本格的に面白くなってきた印象、

ユキ姉の本当の可愛らしさだとか
夕哉の珍しく美月（っていうか日和）の行動に照れる場面など今までよりも一歩進んだ「妹ちょ。
」が読める
要するに順調に事態は色々と進展しつつある・・・という事で続巻を読むのも至極楽しみである。


最初は松沢まり作品らしからぬ過剰なお色気路線で攻めてきた本作だが
気付けばそれに加えてストレートな友情話や素直になれない繊細な感情の表現、

ちょっとずつ夕哉に惹かれていく美月の乙女チックな姿など
割とお色気に頼らずとも
情感的な意味合いできっちり読めるラブコメに変化しつつあると感じていて
お色気要素と趣のある心情描写の塩梅がしっかりと整って来た印象なんかも読んでいると受ける
事実ここまではっきりと夕哉を意識するのにじっくりと話数を使って来ている事や
ここに来て夕哉側が美月を徐々に意識し始める？描写等
段階を踏んでじわじわ来ている印象
そういう生真面目な作風と時折入るお色気描写の軽さが相俟って読んでてストレスのない読み心地になっているかなと
今回は前回ほど派手にかますような巻ではないけれど、
その分普段と違うサブキャラの姿が見れる
ある種の布石のような、
後々に向けての堅実な進展模様が光る巻になっていると思う
その様子を眺めてるのが楽しかったし
どんどんと心を開きかけている美月の姿を見るのも楽しかった。

いよいよ状況も整いつつあるので更なる進展や掘り下げにも期待したい。


今巻も今巻で適度にニヤニヤ出来てスッと沁みる情感も付随している粒揃いの新刊、

ユキ姉の少年っぽい描写の数々は普段とは違う魅力とギャップが出ていて凄く良かったと思う。

彼女もまた美月に負けず劣らず、
可愛いと思えるヒロインで。