40年来もやもやしていた天皇機関説事件の全容が大変よく分かった
 今から40年前、
通っていた中学校の社会科の先生は軍隊経験がある人でした。
「ルーズベルトのベルトが切れて、
チャーチル散る散る、
花が散る」と軍隊で愛唱された戯れ歌を聞かせてくれるなど、
戦前戦中の興味深い話をあれこれ聞かせてくれました。
その先生の話してくれた事柄の中に、
天皇機関説事件のことがありました。
その詳細は中学生の私たちには難しすぎましたが、
天皇陛下を「機関」という言葉で歯車の一部のように形容したのが不敬であるとして社会に受け入れられなかったのだろうなと、
なんとなく理解したつもりでいました。

 
 あれから長い歳月が流れましたが、
天皇機関説事件をきちんと理解するための手頃な書物に行き当らないままでいました。
そこへ今年2017年、
この書が出たのです。
大いなる興味を持って手にしました。


 著者は1967年生まれの戦史・紛争史研究家です。
「です・ます」調で大変平易簡明に、
天皇機関説の経緯を250頁弱の新書にまとめてくれています。


 天皇機関説事件は1935年に起こった事件ですが、
実は天皇機関説そのものは伊藤博文初代首相の時代から立憲制度のありようを示す学説として存在していたものでした。
日本という国家を法人(=法的に擬人化した概念)とみなし、
天皇はその法人に属する最高機関であり、
その権限はあくまで大日本帝国憲法の範囲内で行使されるもの、
つまり君主の権利は制限を受けるものである――これが天皇機関説です。
現人神だとされた天皇を欧州近代国家の制度に組み込むための考えであると同時に、
天皇の権威を誰かが勝手に悪用することがないようにするためのものでもあったのです。

 しかし天皇機関説を排斥しようとした人々は、
やはり「機関」という言葉で天皇をとらえることをよしとしませんでした。
言葉尻をとらえて難癖をつけたも同然ですが、
明治維新以降問題とされなかったこの説が昭和の初期に問題視されたのは、
やはり時代背景があったのです。

 軍縮条約の締結や労働者の権利主張などがおこり、
軍部や保守層は天皇を絶対視することで西洋的価値観とは異なる日本独自の国体をよりいっそう推奨しようとしたのです。
そのとき、
天皇機関説の排撃が多種多様な保守層を結束させるうえで役に立ったというわけです。
「天皇機関説」事件 (集英社新書)

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