儚き七色のシャボン玉

２０１１年公開、
カナダの儚いラブ ストーリー。

監督、
脚本は『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』の
サラ・ポーリー。

女優としても子役時代から永いキャリアを積み、

独特な存在感を放つ個性派として定評がある。


誰かが言った。

結婚とは、
耐え忍ぶものだと。


異なる家庭環境で成長過程を経た者同士が、

永い年月を一つ屋根の下で添い遂げるのだから、

多少の困難は当然、
覚悟しなくてはならない。

誰しも誓いを立てた当初は、
明るい希望に満ちていたはず。


ところが……
実生活に於いては、
伴侶を深く知れば知るほど情熱は冷め、

満たされない想いが募り、
曾ての熱愛は幻だったのかと
悩む声が後を断たない。


結婚５年目を迎える、
ひょうきんで愛嬌のある夫 ルー（セス・ローゲン）と
純真で乙女心を持ち続けている妻 マーゴ（ミシェル・ウィリアムズ）は、

お似合いのナイスカップルで、
平穏な仲睦まじい夫婦生活を送っている。

マーゴは子供が欲しいと望んでいるが、
ルーはまだ早いと拒否していること、

無意識の内にお互いを異性として意識しなくなっていることを除いては。


女としての寂しさ、
言い様の無い虚無感がマーゴを襲う最中、

そんな時に限って出会ってしまう……情熱的で魅力的な異性に。


夜間のプール、
遊園地のアトラクション……
初な恋人同士のような思い人との心躍る一時。

ふと我に返り、
現実に引き戻される虚しさ。

夫に対する罪悪感と欲望の狭間で揺れ動くマーゴは、
必死に理性を保とうと
試みるが……。


多くを語らず、
豊かな表情や仕草を自在に駆使し、
喜怒哀楽の変化を
ナチュラルに表現するミシェル・ウィリアムズのコケティッシュな演技に、

いつの間にかスーッと引き込まれる。

不思議な親近感を振り撒く、
魅力的な女優だと改めて認識した。


ポーリー監督の出身地でもある北米の大都市トロントを、