数々の研究のエッセンスが詰まっている、極めて内容の濃い価値ある１冊。

公開されている数多くの資料を題材に、
著者の研究者としての分析を加え、

軍事に詳しくない者にもわかりやすく解説している本。


冒頭に「米中戦争を理解するためのキーワード」の章を設け、

本書を読む前提となる基礎知識について解説しているほか、

本文中の随所に図、
表、
グラフ等を散りばめ、

理解しやすくするための工夫がされています。


「米中戦争」というタイトルに、
日本のことではないと
他人事のように受け取る方もいるかもしれませんが、

本書を読むと日本がもれなく当事者となってしまう危険性が
すぐそこに迫っていることを感じることでしょう。

日頃から防災について考えることが有意義であるように、

こういったことについても考える時が来ているのではないでしょうか。


本書によって得られる気づきはとても多いです。

極めて濃い内容であるにもかかわらず、

新書という手に取りやすく、
お求めやすい価格は申し訳ないと思えるほど、

価格には（よい意味で）釣り合わない価値ある１冊です。


　゛「平和、
平和」と唱えていれば平和が達成されるという考えは、
大きな間違いである”
　゛まず日本の自助努力が欠かせない”

この言葉が染み入りました。


国防の任を担う人だけでなく、
多くの人に読まれ考えるきっかけになることを願います。