サウード家とアメリカ、FBIと国務省

　冒頭の爆弾テロシーンからラストの銃撃戦まで、
全体的に抑制が効いていますが悪くありません。

　一応「友好国」であるはずのサウジアラビア国内における主人公たちの行動においても、
どこかで誰かが常にこちらを見ているような、
あるいは誰が見方で誰が敵か分からない、
そんな緊張感が画面を通して観ている側にも如実に伝わる作りであり、
良いです。
また終盤の銃撃戦も、
ハイウェイから住宅地内のビルにうまく場面が切り換えられており、
そこへ、
主人公たちが「タイムリミットに迫られている」、
その切迫感もまた実に見事に感じられることができ、
この映画のハイライトをしっかりと作り上げています。

　なお、
映画では身内であるはずの米国国務省がFBIの行動に執拗に介入してきますが、
実際にも9.11同時多発テロの直前にあったと言われています。
国務省とサウジの思惑のみならず、
この映画で語られなかった部分を調べてみるのも一興といえるのではないでしょうか。
それは即ち、
湾岸戦争後の、
サウジアラビアのアメリカに対するイメージといった世論等の変遷について、
です。