チンパンジーの「社会的知性」の獲得は、人間社会への貴重なヒントを提供している
「人の心の進化」に関する研究が様々なレベルで活発である。
本書は、
チンパンジーの社会的知性の進化の視点から、
最終的には「人の心の進化」に迫ろうとするものである。
高度な知性を持ったチンパンジーを相手に、
様々な実験手段を工夫しながら、
研究を進めている。
本書からは、
興味深い研究成果だけではなく、
実験に参加したチンパンジーの個性や、
著者を含む研究者たちのチンパンジーに対する深い愛情がひしひしと伝わってくる。


著者は、
今西錦司以来の京都大学における霊長類研究に憧れてこの道に入り、
まずアフリカでのフィールドワークでチンパンジーの魅力に憑りつかれた。
帰国してから、
日本での実験研究に取り組む。
そのテーマは、
ヒトの進化で大きな役割を果たしたと考えられる「社会的知性」、
つまり仲間の「心」の理解(「心の理論」と呼ばれる)や仲間との協力がチンパンジーでどこまで見られるかを検証しようというものである。
そのために、
独創的な実験装置と、
それを使っての実に辛抱強い実験が行われる。
その試行錯誤の物語は、
まるでコントのように面白い。


研究はまだまだ途中ではあるが、
著者は既にチンパンジーにおけるかなり高度な社会的知性の存在を実証した。
それを受けて、
著者は「社会的知性」の3つのポイントを挙げる。
まずそれが(人が意識することは少ないにせよ)紛れもなく「知性」であること、
経験と学習の重要性、
そして進化の産物としての社会的知性、
である。
翻って、
人間社会(といっても日本)では、
毎日のように、
子供や大人の社会性にまつわる問題がニュースで報じられている(幼児虐待、
学校内いじめ、
会社内いじめ、
ひきこもり、
ストーカーなど)。
本書で指摘されているように、
現代社会で人が平和に生きるためには、
人も「社会的知性」を経験と学習で身に着ける外はなく、
そのためには社会全体の自覚と取組みが重要であると痛感した。
かつては大家族や地域社会で子供が自然に身に着けた「社会的知性」が、
現代の日本社会では、
意識的に身に着ける必要があるという訳だ。
本書は、
この基本的問題に貴重なヒントを提供している。
著者の研究の更なる展開を期待したい。
仲間とかかわる心の進化――チンパンジーの社会的知性 (岩波科学ライブラリー)

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うーん…物足りない作家が多い… 8/6進撃情報追記
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