他人の物は自分の物

まぁ、
梨花（宮沢りえ）の自業自得の物語りです。
他の誰が悪いわけでもない。

しいて言えば、
蓮ちゃん（石橋蓮司）と孫の光太（池松壮亮）の二人の動きが
妙に不自然な気がしないでもないが。


毎日、
何千万、
何億というお金を目にしている人間の金銭感覚は、
本人が気づか
ないうちに麻痺してしまっているものなのかもしれない。
そうしてみると、
梨花が
働く職場は毎日がその試練との闘いの場ともいえる。


最初に軽く借りたつもりの一万円が、
次第に200万、
300万円と膨れ上がり、
それは
光太との遊興費にあっという間に消えていく。
ある瞬間、
何千万という金を横領して
いる自分に気がつき、
その穴を埋めるためにさらに大きな嘘をつき、
人を騙していく、

そしてそれは無限に続き、
やがて破たんを迎える・・・。


職員の行動をチェックする先輩（小林聡美）のクールな演技はとてもよかった。
それに
しても何も気づかない夫（田辺誠一）はどうしたことだろうね？男というものがやや
描けていないような気もしますが。
しかし、
サスペンス物としては面白いのでは。