ドイツ軍用機戦闘機開発史を辿る

　この本で取り扱う機種はドイツ空軍戦闘機の秘密開発を辿るものです。
実際開発に成功したもの、
風洞実験で開発のめどがついたものの実機の写真、
戦後アメリカに行き開発が続行されたもの等開発史が詳しく辿れるので星五つ。

　この書は、
機体の開発だけでなく注目すべきはエンジンの開発も併記していることです。
ターボプロップエンジンの開発と戦後アメリカで開発したREPUBLIC　XF-84Hが写真入りで紹介され原型機はFWの発明にありました。
又、
開発機には復元図と各種機体の仕様が細かく記載され実用化まであと一歩であったことを物語っています。
各所に三面図と開発にあたっての経過説明を簡潔に書くなど要をえています。
昼間機、
夜間機の開発にも分けて記載さその多彩さに驚かされます。
SAAB　J35　DRAKEN等にこの書で影響したことが写真入りで紹介されています。
全体の95%がJet機開発に向けられたのも分かります。

　この書はJet機開発でこの方面のプロゼクトを知る基礎的史料と言えましょう。
多分、
これ以上の内容を備えるものはこの時期で今後すぐに追加の本は出ないと思います。
資料よりは歴史的な史料になりうるもの是非備えたい本でお勧めです。