マスターディスクの予備として相応しいメディア

ミュージシャンやCD業者さん向けの解説になります。
ご了承下さい。


マスタリングし納入するメディアは書き出してから、
再度読み込み確認する事は
御法度です。
塵１つ無い状態で焼き上がりを即密封してプレス依頼するのが定石です。

となると、
そのマスターディスクの案配を確かめる事は出来ません。

そこでこの金ディスクの出番という訳です。


制作で一番神経を使うのは、
仕上がった音源を現場の音と
それぞれのプラットフォーム(再生機)に依存する音の変化を見極め、

最終調整してディスクに落し込んだ後の差です。


このディスクはその誤差がほとんど少なく出音精度が高いです。

昔、
いろんなディスクで同じ音源を焼いてミスリードチェックしたことが
あったのですがこのディスクが一番安くてミス(歪み)が少なかったと記憶してます。

それ以来、
顧客へマスターディスクのサンプルとしてこのディスクを使用してます。


以下マニアックな話です。

CDというデジタルメディアであれ、
記録する原理はレコードと同じで
レコーダーから出すレーザーで盤面を彫り、
ADコンバートします。

レーザー光にもピッチ(太さ)があり、
60分＞74分＞80分の順にディスクに刻まれるピッチが狭くなります。

狭くなると再生機に高い読み込み精度(DAコンバート)が要求され、
かつ音質にも影響を受けます。

録音時間が増える程、
ピッチが狭くなり、
音が少し痩せます。

なので自作で焼く場合なら分数短めのディスクをお勧めします。

昔はこんな感じでしたが今はブルーレイ標準の時代なので十分クリアされてる話題ですが。


ただ、
残念な事に太陽誘電さんがCD,DVDメディア事業の撤退を発表しました。

ご時世として市場はデータの時代に入り、
ディスクの需要が縮小するのは致し方ない事実です。

今後も良品は何らかの形で語られる様な、
そんな文化を期待してます。