一気に読ませてくれる法廷物語です

主人公のTheoは、
両親が弁護士で、
判事や裁判所の職員とも顔見知り。
法廷も何度も見ていて法律にはめっぽう詳しい。
友達の法律的な相談にも気軽に答えてあげるやさしい中学生です。
そんな彼が、
妻を殺した罪で告訴された男の裁判の最中に、
誰も知らない秘密を知ってしまう、
しかもその秘密を公表してしまえば一人の不幸な少年が捕えられてしまうかもしれない。
でも、
黙っていれば男は無実になる公算が高まる。
そんなことは絶対許せない。
さあ、
どうするTheo・・・
Theoは１３歳の中学生で、
おそらくそれくらいの年代の読者を想定して書かれていると思われます。
英語は平易で、
たまに法律の専門用語も出てきますが、
読み飛ばしても大丈夫です。
ハラハラドキドキさせる展開には、
さすがグリシャム、
と思わせるものがあります。
260ページのペーパーバックですが、
他の本より行間が広くとってあり、
とても読みやすいです。

これまでグリシャムの他の作品で挫折した人、
また、
ペーパーバックを読んでみたいけど難しそう・・とためらっている人には最適の１冊だと思います。
中級程度の英語力のある人なら十分に読みこなせ、
読み切ったという満足感を得られるでしょう。
また、
foreclosure（住宅などの差し押さえ）についてTheoが友達にわかりやすく説明する場面の会話などは、
とてもわかりやすく、
実際に使えるような表現が満載です。