格安ＳＩＭの落とし穴に全く触れてない！

本書では格安ＳＩＭの対象機種としてGoogle Nexus5が推奨されており、
その前提の記事である。


しかし大半の人は既に所有しているドコモのスマホ＋格安ＳＩＭを考えていると思う。
本書はその場合の注意点に全く触れてない。


１）ドコモのスマホ＋格安ＳＩＭの場合、
テザリングができない。
これはドコモが自社契約のＳＩＭ以外はテザリングできないようロックしているためだ。


２）比較的新しいドコモのスマホ＋格安ＳＩＭの場合、
ＡＧＰＳ機能が使えない。
すなわちGoogle Mapで現在地を取得するのに数分~１０分かかる場合がある。
これもドコモが自社契約のＳＩＭ以外はロックしているのためだ。

（ＡＧＰＳとは、
ＧＰＳ衛星の軌道情報をインターネットから取得することで、
現在地の把握を迅速に行う機能である。
）

３）筆者おすすめのNexus5の場合、
ドコモのLTE周波数の一部にしか対応していないことが記載されていない。

　ドコモのLTEはメインが2.1GHz帯で、
その他に800MHz帯、
1.5GHz帯、
1.7GHz帯でサービスされているが、
Nexus5はメインの2.1GHz帯と、
東名阪の一部駅周辺がみエリアである1.7GHzしか受信することができない。
つまりプラチナバンドと呼ばれる800MHz帯のLTEを受信できない。

　私の実感では、
2.1GHzのみだと横浜-東京間で頻繁にLTE通信から3G通信に切り替わるが、
全ての周波数に対応した機種の場合、
LTE通信はほとんど切れない。


なおAndroid編でもiPhoneのみテザリングできないことが一行だけ記されているが、
テザリングの用語説明はない。
これがスマホを親機にしてＰＣ等をインターネットに接続する機能であることを知っている方であれば、
本書は不要であろう。