購入と売却の一貫したポリシー

自分も不動産投資を始めて10年近くが経つが、
始めの頃はただ、
「いい物件を買いたい」という気持ちが強かった。
購入後は、
管理会社からの退去や入居連絡に一喜一憂し、
どうやって「空室を埋めるか」に気を揉む。
そんな「不動産投資」というものは、
ほとんどの場合は売却して完結となるのだが、
このフィニッシュで最終収益が確定するという意味で、
出口戦略も非常に重要だ。
にもかかわらず実際には、
この「出口」について多くを知らず物件を買うことが多い。
「誰に向けて、
どう売るのか」を意識すれば、
売却価格、
賃料設定、
リフォームの方法などが自ずと見えてくる。


この本は、
著者の10年間の実体験を元に、
購入と売却のノウハウがぎっしりと詰まった良書だ。
この著者は17件購入したうちの10件をすでに売却しているが、
売却した10件すべて購入時の価格より高く売っている。
これは偶然ではなく、
購入と売却についてしっかりとしたポリシーがあるからだろう。


著者のポリシーは、
コラムにある「海外不動産を買わない」理由からも感じれられるが、
自分もまったく同意見だ。
「年金不安」「不労所得」といった漠然とした動機で始めたとしても、
こういった一貫した姿勢を確立してから不動産投資というのはなされるべきだと思う。