中高生時代の、初々しく不器用な恋と性。

雑誌に掲載された６作品のお話と、
表題作の続編の書き下ろしと、
「あとがき」とで
構成された短編集でした＾＾

表題作は、
同じ高校だった二人が、
社会人になって飲み会で再会するというお話でした。

この二人、
高校最後の日に告白した側（表紙カバー右）とされた側（左）＾＾
高校時代の終わらない恋の話とはいえ、
この表題作だけが唯一、
社会人同士のお話でした。

その他のお話は、
どれも中高生時代の恋のお話です＾＾

6つの短編なので6つの恋が描かれていて、
じんわりと温かい読後のお話や、
ハッピーエンド
と呼べるお話、
悲しく切ない読後のお話など、
それぞれの短編の持つ味わいは様々でした。

中高生時代の恋は、
性への興味に知らず惹きつけられたり、
性を自分の想う人の心をつかむ
ための手段として不器用に使ってみたり。

中高生の性が描かれているものの、
性行為自体を描写することよりも、
その揺れる心理の
描写に力が注がれているように感じました＾＾

強くひかれあっている恋人同士のお話はひとつもないかわりに、
それまで違う方向を向いて
重ならなかった二人の心がふわっと重なった瞬間が描かれていたり、
相手の一挙一動に
繊細に反応しあう、
二人の気持ちの波が描かれていたりと、
どの作品にもどこかピュアな
瑞々しさを感じました＾＾

短編ですので、
どちらかというと手触りはさらりとしていてスッと読むことができますが、

それぞれの短編ごとに、
どこかサラリとは読み流せない溜りがあって、
素敵でした＾＾
面白かったです＾＾