服を繕うように、器も直せる

身の回りの品を自分で修理したい。

でも布なら繕えるけれど器は……という人にお勧めです。

器の繕いといえばプロに頼むもののように思っていましたが、

初心者でも自力でできるように丁寧に修理方法が書かれています。

特に巻頭の「方程式」（直し方チャート）は一目で流れを把握できてとても便利でした。


本漆や金銀粉を使う以外は、
100円ショップで買えるようなごく身近な材料を使っているのも
初めての修理に多額のお金を使うことに躊躇してしまう初心者にはありがたいです。

ベビーパウダーのくだりは目から鱗でした。

金継ぎにある程度慣れた方でも、
合理的にまとめられたテキストを読めば何かしら感じるものがあると思います。


壊れてしまった自分の大事な器にもう一度命を吹き込めたなら、

まして修理が自分自身の手によるものであるなら、

ものを大切にする気持ちも含めて、
とても素敵なことなのではないでしょうか。


最近うっかり割ってしまったお気に入りの花瓶は、
金継ぎしたことで割れる前の姿とは
当然変わってしまいましたが、
自分で直した分、
余計に愛着が増しています。

この本を読み終えた後には、
もしかしたら欠けているうつわがないか
食器棚をチェックしたくなるかもしれません（笑）