研究技術者として，経営者としてA.Groveは　実学の神様か？

彼は，ハンガリーから亡命し，フェアチャイルド社（現：インテル）でMOSデバイスの研究をされ，UCバークレーから学位を取得した人物で，インテルの社長兼CEOとしても，また，地域のボランティア活動としても有名です。


本書は，半導体チップメーカーの企業戦略が述べられています。

他の分野にも応用出来ます。

彼は，ペンティアムのFPUでの失敗をどう対処したか，逆境の際に強い指導力のある人物です。


特に，80年代の日本の高品質メモリに対して，メモリ事業からの撤退の例は詳しく述べられているものの，その実情（特に日本企業の研究所・製造工場での歩留まり向上のための日本での研究ノートを含めたノウハウが米政府の圧力で提出され，これらを徹底的に研究され，CPU転換に生かされた）と　CPUでも一製造ラインで，同一マスクを使ったメモリ量産と同じ手法なのは，残念ながら記載されていません。

メモリ量産と同じ手法について，元T社の部長で，米国の企業にヘッドハンティングされ，現在，Stanford大で研究されている方の講演を聴いたことがあります。


【勿論，当時の，またこれまでの米日の関係からタブーでしたが。
】

現在，日本はASIC（特定向け論理LSI）と　フラッシュメモリが主流ですが。

SONYのPS3の中核CPUのCELLが，米国のIBMのスパコンに導入され，BlueGeneを
４倍ほど　遥かに凌いでいるのは，興味深いものです。

CELLは，ソニー・東芝・IBMの共同開発です。