大学の物理の雰囲気をつかむ

平成26年3月2日(日)改訂

この本はいわゆる、
高校物理から大学物理へ緩やかにつなぐ本という位置づけです。
ですから、
微積分が使われ、
ベクトルも使われております。
内容的には慣れない分ちょっときついかなぁと思ったりします。


内容は浅めで、
主な物理現象（調和振動子など）について言及しております。
問題（例題＋章末問題）も付いてますが、
解答付きでそこまで難しくないです。
力学 (物理入門コース1)の補助として読んでみてはいかがでしょうか？

大きな特徴としては･･･とにかく図・絵が多い！！！これはすごいです。
数学的に物理を扱うということに対して高校生はちょっと畏敬の念（？）を抱くようで、
そのときに数式だけ扱うという幻想を生み出しがちです。
しかし、
この本には図がありますので、
常に式と図がマッチしており、
式自身が意味をなすことを示してくれてます。
大学に入学する前の理系高校生にお勧めです。


ただ、
微分方程式の扱い（初等的なことも含め）には一切言及されてません。
そこはネットなり、
わかりやすい微分方程式（理系なら絶対使うので）の本なりを購入して、
必要に応じて別途勉強することをおすすめします。
こういうこともあり、
個人的には微分方程式の解法について付録をつけてほしかったです。


また、
章末には、
解析力学についても書いてあります。
おまけ程度と思った方が良いかもしれません。
解析力学のモチベーションが詳しく書かれていないので、
別途専門の本で学んだ方が良いかもしれません。


後書き：個人的な話になってしまうのですが、
当時（大学入学前）解析力学の意図がいまいちわかりませんでした。
解析力学とはなにか？今までの力学のどこがだめだったのか？そこらへんを（少し）歴史的背景も含めて書いてほしかったです。