価格ほどの目新しさは感じられない

まず、
加工付録が綴じ込まれており実物を手に出来る点、
随所に箔押し加工などが施されている点などは評価出来る。

しかしながら、
加工のレベルがそれほど高くない物が含まれており非常に残念である。
実際デザイナーなどはこれらの見本を参考にイメージを作って行くだけに致命的である。

こと箔押し加工に関しては、
剥げが目立つ。
テクスチャー加工に至っては、
抜きなのかテクスチャー加工なのかよくわからない加工に仕上がってしまって、
テクスチャー本来の繊細さなどが伝わって来ない。
紙と箔の相性の確認不足、
加工時の圧不足&ムラ取り不足という初歩的技術不足が感じられる。
また他の加工では箔どうしの相性を考えずに重ね押しがされているために重ねた上の箔が下の箔に乗っておらず、
結果として剥げてしまっている。
5000円という値段の本にはあってはならないミスである。

巻末にある各メーカーの箔押しされた綴じ込みに関してはメーカーや代理店に言えばタダでこれ以上の物(カタログや色見本)が手に入るだけに、
ここにページ数が割かれ本体価格に含まれている事を考えると正直必要とは思えない。
特別目新しい加工がされている訳でなく箔見本レベルの押し方で工夫も無い。

その他印刷などに関しては、
グラフィック社の「デザインのひきだし」に重複する記事があったりでデザインのひきだしを毎号買っている人には必要が無い内容も含まれている。

総じて、
5000円という破格の値段相応の内容ではないと言える。