野菜のバイブル！

久々に溺愛に値する料理本に出会いました。
全体として、
使っている材料や調理法はシンプルですが、
下ごしらえや、
火の入れ方、
野菜そのものが持つ味の特徴やその活かし方、
全てが繊細に丁寧に語られています。
プロが作る料理と素人の家庭料理の違いはなるほどこういうことだったのか！と納得。
塩や調味料も特に分量は記載されておらず、
職人的な塩梅ですが、
だから野菜の水分量や個性に合わせた味が引き出せるのだなあと思います。

表紙のなすのパルミジャーノを作ってみましたが、
ワインが1本空いてしまいそうな、
ぶっ飛ぶおいしさでした。

そしてこの本のさらに愛すべき点は、
杉原さんのウイットと個人的な感想をふんだんに入れたイキイキした文章ではないでしょうか。
読み物としても大変面白く、
時々くすっと笑ってしまうこと暫し。
冷蔵庫やハウス栽培がなかったときの、
「旬の野菜地獄」に対応するためにいろんなバリエーションのレシピができた、
ナスなんてデザートまである、
というくだりなんかも楽しいです。
野菜がさらにいとしくなってしまう本です。