司法修習生のうちに読んでおくべき１冊

著者は、
東北大学法科大学院で弁護士倫理の講義を１０年間担当されている弁護士です。


本書は、
弁護士法や弁護士職務基本規定を逐条的に正確に解説していくといった類の本ではなく、
実際の弁護士実務の流れに沿って、
相談前、
受任時、
受任中、
事件終結時等のそれぞれの場面において、
弁護士が注意すべき点がわかりやすくまとめられている１冊です。

本書はいわば弁護士倫理の入門書的な位置づけの本であり、
弁護士法や弁護士職務規定に関する解説はさほど詳しくないため、
実際の弁護士実務上生じた疑問点を、
本書をもって解決することは困難かと思われます。

しかし、
著者の狙いは、
弁護士倫理上の問題点に「気づく」ことで、
「トラブルを未然に防」ぐ知識を習得させることにあり、
問題解決の辞書的利用ができない点はけしてマイナスではありません。


本書のような弁護士倫理の入門書が発刊されたことを嬉しく思います。