歴史の線でのつながりがわかりやすい

この本については批判も多いようだが、
筆者が述べているように、
歴史を線でのつながりとしてとらえているので、
その時代の流れ、
因果関係、
がわかりやすい。
これが従来の歴史書だと、
何年に何があって、
何年に何があった、
というような暗記物でしかない情報に堕してしまうことが往々にしてある。

　ただし、
この本には結構間違いがある。
今回の巻でも、
出羽＝現在の秋田県と注釈しており、
出羽の国の半分を占めていた山形県はなかったことにされている。
このような間違いは過去にもいくつかあり、
例えば、
非常時のバックアップ体制が言霊の影響で日本にないがアメリカにはある、
と述べたくだりで、
大統領がなくなった時の順位を間違えていた。
（「副大統領→上院議長→下院議長」としていたが、
上院議長は副大統領がなることになっているので、
「副大統領→下院議長」が正しい）。
このような明らかで単純な間違いは「専門家」からの批判「だから素人はだめだ」のかっこうの的になると思われるので、
著者は注意した方がよいと考える。

　ただし、
この文章は書きおろしではなく、
週刊ポストでの連載であり、
このような間違いに気づく機会はより多かったはずである。
このような間違いを直すのは編集子の仕事だと思うのだが、
まともに仕事をしていないのではと疑いたくなる。
ということで星ひとつ減らして4とした。