著者は苦しむ女性の代弁者

本屋で購入した後近くの喫茶店で4時間かけて一気に読破しました。
ここまでのめり込んで本を読みきったのは久しぶりです。


誰も知らなかった女子アナという職業の裏側や、
「やっぱり」と思うような男性優位のテレビ業界の人間の実態が丸裸にされています。

男性社会の見えない掟に苦しむすべての女性に読んでほしいです。


恵まれた容姿を持つ人はこういう風に考えているのかと、
内面描写はかなり興味深く読みました。

出てくる女性は大体性格悪いです。
それぞれに共感できたり全然できなかったり。

しかし男性優位の社会で男の欲望に振り回される女性たちの姿には共感せざるを得ません。

男性と実力で対等に渡り歩こうとしても手を組んで徹底的に潰されるという現実。
権力のある男性の機嫌を取るために努力しても、
男性の欲望を満たす存在でなくなった途端に手のひらを返される現実。

そうやって梯子を外される女性たちの描写を読み、
経験があるだけに当時の怒りが蘇りました。

あと男をめぐる女たちのドロドロした足の引っ張り合いも恐ろしくリアルに描かれています。
滑稽なことに登場人物に関わる男が皆すべからくゴミ野郎ばっかりなんですが。

またそれぞれが心にコンプレックスや深い闇を抱えており、
「誰かに認められたい」と必死にもがいているその描写がまた凄まじい。


自分が今直面している女であるが故の壁は中々手強く、
この本を読んだからといって解決策が見えたわけではありません。

しかしすべての女性が一度は経験した事があるような生々しい感情、
複雑な思いを筆者は見事な筆致で書き切っています。

自分が言葉にできずにもどかしく思っていたことが鮮明に言い切られておりスカッとしました。

ページを捲る度にどんどん先を読み進めたくなります。

安易なハッピーエンドじゃないのも良いです。

もっともっと、
筆者には拗らせた女性と男性社会の闇を抉り出してほしい。