幾何学の歴史と数学者達の奮闘・理論解説だが内容は高度.

本書はカバー裏面（表２部分）略歴に依ると復刊（新装版）のようであり、
巻末の「新装版に寄せて」には秋山仁氏が筆を寄せている。
本書はこのページの上の「商品の説明」にもあるように、
「平行線とは同じ平面にあって互いに交わらない二直線のこと……東西にまっすぐに延びた線路……は地平線の一点に集まって見える……平行線とは二つの無限遠点で交わっている直線なのだろうか」という、
いわゆる「ユークリッド幾何学」に対する問題提起に始まって、
「直線外の一点を通って、
これと平行な直線はただ一本しか引けない」（「ユークリッド」の第５公理）への疑問と、
「平行線は二本引ける」ことを追い求め、
「位相」が異なる（拡大する）と私が理解するころの、
「非ユークリッド幾何学」の誕生の経緯を解説するものである。
本書は体裁として、
１ページの概ね上半分を図形・図式化のために、
下半分をテキスト領域に割り当てて、
生徒と先生（老生）との質疑応答形式を採る。
ページの上半分は図形・図式化のスペースのため図解の不要なところでも空白で、
本文で証明など長くなるものは「補講」として巻末付録（約５０ページ弱）に纏められている。