感動ではなく、共感ができる作品

最近の若者は弱々しくなった
指示待ちばかりで困ってしまう・・・。

そう思われる大人の方は少なからずいらっしゃる事でしょう。


ですが、
よく考えてみてください。


もしかしたら彼らは、
心の中で
何か気を遣っているのかもしれません。

また何らかの葛藤を持っているのかもしれません。


この小説は、
漱石や芥川たちが書くような
あの美しい情景やリアルな心理描写とは少し違います。


行間を重んじた文章になってるんです。

それはまるで、
詩を読んでいるような感覚の描写なんですね。


「こんなものは、
小説なんかじゃない」
そうやって否定される方がいらっしゃるかもしれませんが、

今の若い人たちの感覚は、

昨今のような 力で押し切る人たちじゃないんですね。


「苦しみ」というものも分からないで、

「恋」の本当の意味も知らないでいる
そんな弱々しい若者たちが、

この小説では 実に肯定的に描いてます。


否定をするのは悪い事ではありません。

ですが行き過ぎは心の健康に悪いものですよね。


この小説は、

普段いつも見ている大人たちの物憂い光景が、

弱々しくも懸命に生きている高校生たちが、

実に美しく、
華やかに描いています。


下らない先入観を取っ払って、

是非一度 読んでみてはいかがでしょうか。


僕ははっきりと書かせていただきます。

感動はしません。

ですが、
共感はできます。


　　　　　アマチュア戯曲作家　岡本ジュンイチ